二者択一か 2020 6 21
書名 コロナショック
著者 山田 順 MdN新書
「命か経済か」
著者は、こう言います。
これは、二者択一の問題ではない。
「生きること」と「経済活動をすること」は、
まったく同じことだからだ。
コロナ禍に関して経済の話をすると、
「命よりも、お金が大事なのか」と非難される。
しかし、お金がなければ、命は救えない。
食べるにも、医療にも、お金がかかる。
(引用、以上)
確かに、日本の人口規模では、
不景気になると、経済苦による自殺者が、
1万人近く増えると言っても過言ではないでしょう。
日本では、新型コロナウイルスによって、
死者が1万人も出ていない状況なので、
外出規制などで経済を不景気する必要はありません。
しかし、感染者の数が増えてくると死者の数も増えてくるので、
マスコミが騒いで、政治家が耐えきれなくなるのです。
政治家の覚悟は、マスコミが騒ぐことで簡単に崩壊するのです。
昔、中選挙区の時代に、こんな話を聞いたことがあります。
「私は、有権者に厳しいことも言う。
次の選挙で落選しても問題ない。
私は、事業で成功しているので、生活に困らない」
今は、小選挙区の時代となって、
政治家が「生業」となっています。
つまり、政治家という職業が「食べていくための手段」となっています。
こうなると、政治家は、芸能人と同じように「人気」を気にするようになります。
日本は、小選挙区から中選挙区へ戻すべきです。
多様な意見を吸い上げるのは中選挙区であるべきであり、
小選挙区の導入は、独裁者の発想です。
さて、この本の著者は、「舌鋒鋭い」という印象です。
「このような舌鋒の鋭さは、久しぶりに見た」と感じました。
著者は、ジャーナリストで作家なので、
まるで外科医のように社会事象を鋭く切っていきます。